人生BADハマり

東大卒アスペ傾向Web系エンジニアの人生戦略

東大を目指す16歳の私へ(前編)

先日母校の高2生(約360人)に向けて進路系イベントに登壇してきました。せっかくなのでblogという形でまとめ直してみます。

1年以上人前で話しておらず大変緊張してしまい、オタクの機関銃トークをしてしまったのを思い出すたび、ベッドの上で叫びながら輾転反側な日々を過ごしております。

自分が高2のこの時期にどんな話を聞いておきたかったか? を念頭に置いた結果このようなタイトルになってます。

長いので前後編に分けます。

東大を志望した理由

大学受験って何の意味があるの?

お勉強をすっぽかして考え続けた高2の8月。

  • なぜ大学受験という制度は今のような制度になっているのか
  • なぜ「社会」や「理科」といった教科でなければならないのか
    • 本当にもっと他に教えるべきことが無いのだろうか
  • (自称)進学校の教育と国家レベルでの教育の意義を一緒くたに考えるのは無理がありそうだ
    • 「日本社会で最低限生活できる人間を育てる」のと「国際社会で活躍できる人材を育てる」を同列に語れるはずがない
  • etc.

考えているうちに、頭がおかしくなってしまいました(完)。

プロが日夜頭を捻って考えた結果としての暫定解が今日の教育なんです。

現状は100点満点ではないですし、むしろほど遠い。レガシーな面も多い(と思う)。

現行制度が満点解であると思い込むところからスタートするほど、当時の私は社会に完全性を求めていました。アスペルガー傾向なのかもしれませんし、単なる温室育ちだったのかもしれません。

民間も「これからの教育の形」を模索しています。N高等学校(ドワンゴ)とか、ゼロ高等学院(ホリエモン)とか。

で、こんなむちゃくちゃ頭の良い人たちですら一生懸命考えても結論が出せないような問題に対して、一介の高校生がひと夏考えた程度でそんなご立派な結論が出せるわけがないのです。

なので僕は、社会における大学受験ひいては教育の役割について考えるアプローチを諦めました。 私は私にとっての大学受験の意味を考えれば十分だし、それで精一杯なのです。

……こうして文章にすると、なんて馬鹿なことで悩んでたんだって感じですね……。

将来の進路が絞れないなら、進振りのある東大しか選択肢がなかった

馬鹿にするわけではありませんが、大抵の高校生は社会における大学受験の意義どころか、そもそも社会のことがよく分かってません。バイト経験すらない人が大半ですしね。

母校の生徒が進路を決める上で日常接する情報ソースとしては

  • 学校の進路だより
  • 進路室に置いてあるチラシや掲示
  • 正門前で配布しているT●SHIN TIMES
  • オープンキャンパス
  • インターネット

辺りだと思います。実際私もこの辺はフル活用しました。

で、今26になって思うのは、

受験も大学生活も社会人も、結局実際にやってみなきゃ9割方分からん!

更に言ってしまえば、

そもそも大抵の高校生は自分のことすらよく分かっていないんです。

「好きなこと」「得意なこと」「需要があること」が重なったところにキャリアがある

高校生くらいだと大半の人は将来やりたいことも明確になっていないと思います。それが普通です。

それを見つけるには「好きなこと」「得意なこと」を見つける努力をするのが最もまっとうなやり方だと思います。少しでも興味があることがあったら、やってみる。これをひたすら繰り返すだけです。

色々やっていると、「これは好き/嫌い」「これは得意/苦手」といった自分の特性が分かってきます。様々な経験を通じてそれらの情報粒度を上げていくのです。

社会で生きていく上では「需要があること」も意識が必要です。これはニュースや教養、読書などで見聞を広めつつ、自ら思索を深めていけばいいのかなと思います。

これら3つが良い感じに重なっている部分を高校生のうちに見いだせていたら、その人は超優秀だと思います。そして現時点での各領域の理解度がどうであれ、焦らず挑戦と経験を積み重ねることで理解度は深まり続けるものだと思います。

自分なりの『暫定解』を持って受験に臨む

そういうわけで高校生が完璧な答えを用意して受験に臨むのは至難の業だと思っています。

大事なのはこじつけでもいいので、「なぜ、自分は大学受験をするのか」という問いに対する自分なりの答えを持っておくことです。この際「大学が近くにあったから」でもいいです。これで受験勉強が主体性を帯びた活動になり、納得感のある受験勉強ライフに繋がるはずです。

実際東大に行ってみてどうだったか

天才と交流できる

私は東大以外の大学に通ったことがないので単なる憶測なのですが、多分他大は特定の学力偏差値近辺の学生が集まっていると思っています。

ところが日本では一定以上の学力を持つ人は概ね東大に来る傾向にあります。そうすると東大においてのみ異質な母集団が形成されます。すなわち、学力偏差値70以上のあらゆる学生が集まってくるわけです。そこには偏差値80や90の猛者、理III合格者、数学オリンピック出場者などといった錚々たる面子が揃っています。

私の出身学科周辺では彼らのような天才を「人生2周目」と呼んで崇拝していました。運良く東大に受かってしまった凡人が恐れ多くも彼らのような天才と日常を共にできる、そんな希有な環境が東大にはあります。

プライドが高いと死ぬよ。つまり君は死ぬ。

東大に行くと驚くべきことに、授業を受ける仲間は全員東大生です。

果たしてこんな環境でお勉強で勝てるでしょうか(反語)。

今まで「英語解かせたら私の右に出る者はいないわ!」と豪語する母校の四天王だった貴方も入学と共に出鼻を挫かれ、心打ち砕かれる可能性が十分にあり得るわけです。

しかし人間どこかで挫折するものです。実際私も東大に入ってまず周囲の頭の良さで挫折感を味わい、修士課程で学問を創る側に回ることへの適性と興味の無さに気づいて中退するという経験も経ています。

挫折とは生き方を見直せというシグナルだと思います。「そっちの道に進んでも行き止まりだよ」と教えてくれているのです。

土俵を一つに絞っていては、天才に努力された時点で勝ち目がありません。あらゆるチャレンジを通じて興味・適性を見極め、複数の強みを掛け合わせることに活路を見いだすのが現実的な生存戦略ではないかと思います。

入ってからもそこそこお勉強

入学して1ヶ月経過して気づいたことがあります。

「東大って一応日本で一番難しいと言われている大学だし、多分日本で一番難しい授業をやってるんじゃないか?🤔」

安心してください、こんなに頭悪くても東大に入るチャンスがあるんです🙆

大学は教育の場であり研究の場であるわけです。 少なくとも建前上は勉強したいから大学入るはずですよね? なら大学入ってからも勉強なのは当たり前だよね?(にっこり)

進振りは点数で行ける学科の選択肢の幅が変わってきます。人気の学科に入るには前期教養で点数が必要です。

学科によっては3年以降も行きたい研究室に行くために点数が必要になったりします。受験が終わっても戦争は続くのです……

何だかんだ東大ブランドは便利

就活は強い

ぶっちゃけ就活は依然有利っぽいです。特に理系修士

  • 黙ってても研究室に就活イベントのビラが来る
  • 優秀な学生だけを集めた「逆求人イベント」への参加依頼が来る
  • 合同説明会に行って学生証を見せるとタクシー代を援助してくれたりする(これは学部生も)

僕は情報系修士を中退していますが、周りは研究の片手間に3-5社受けて就活終了してたイメージです。

何やっても東大ってだけで面白くなりがちでずるい

  • さんまの「東大」方程式 とか
  • 「東大生が」コスプレしてVOCALOIDなどを踊る某団体とか
  • 「東大で」アニソンを爆音で流すイベントを開くとか(私がやってたイベント)

アニソンのクラブイベント自体はそこら中でやられていることです。でも東大でやるってなっただけでなんか面白そうってなりませんか?

実際のところ東大の学園祭ほど多様なお客さんが集まるアニクラ(厳密にはA-POP系クラブイベント)ってそう無いと自負してます。推し曲でブチ上がり偏差値が3になってしまった東大生を見て受験生の親子連れがドン引きする光景が見られるアニクラなんてウチくらいですよ。

飲み会で弄られる鉄板ネタ

これは良い意味でも悪い意味でもですね。社会とはそういうものなので諦めましょう。

元気な時に後半を書きます。 書きました。2週間越し。

nearnoah.hatenablog.com